ライフデザインのために知ってほしい妊娠と年齢の関係とは?

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将来のライフプランについて、じっくり考えたことはありますか?

どんな仕事をしたいか、どんな暮らしを送りたいか、結婚するかどうか、子どもをもつかどうか――。人生には本当にたくさんの選択肢があります。
ライフデザインをする上で、周囲からの意見に悩むこともあるかもしれませんが、選択しないという選択肢も含めて、一人ひとりが自由に考えてよいものです。

一方で、妊娠を将来の選択肢のひとつとして考える可能性があるなら、早い段階で知っておいてほしいことがあります。それは妊娠する力は年齢と関係があるということです。

この記事では、ライフデザインをする上で男女ともに知っておきたい生物学的な「妊娠と年齢の関係」について正しく解説します。

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妊よう性(にんようせい)とは?

妊娠する力のことを「妊よう性」と呼びます。妊娠のしやすさには個人差がありますが、男女ともに年齢の影響を受けることがわかっています。

年齢と妊よう性の関係

女性の年齢と妊よう性

女性の一生と卵子の数の変化
HUMAN+女と男のディクショナリー2018年改訂版 66ページ(日本産科婦人科学会)を加工して作成

女性は生まれたときから一生分の卵子を持っており、新しく作られることはありません。そのため、年齢とともに卵子の数は減少していき、卵子自体の質も低下します。

女性における妊娠しやすいタイミング(排卵日2日前)での成功による妊娠成功率
Human Reproduction 2002 17(5)1399-1403 データをもとに作成

また、このグラフが示すように、妊娠しやすいタイミングで性交を行った場合でも、妊娠する確率は年齢とともに低下することがわかっています。特に35歳を過ぎると妊娠率が低下する傾向にあり、40歳以上では顕著になります。

この背景には、加齢に伴う卵子の質の低下に加えて、子宮筋腫や子宮内膜症など妊よう性に影響を及ぼしうる婦人科疾患の合併が増えることも関与していると考えられています。

(参考)いわゆるAMH健診とは?
最近、妊活をすぐには考えていない健康な女性に対して、卵巣年齢や将来の妊よう性の予測として、いわゆる「AMH健診」が実施される場合があります。AMHは抗ミュラー管ホルモン(anti-Müllerian hormone)の略称で、卵子の元となる卵胞から分泌されます。AMH検査は血液検査で、残っている卵子の数が推定できるといわれており、不妊症の方の治療方法の選択やステップアップに用いられます。ただ、AMH検査には平均値、中央値はあるものの正常値がありません。また、卵子の質を評価することもできません。実際に妊娠するかどうかについては、AMH値よりも年齢や卵子の質がより重要です。そのため、AMHの値が低くても質の良い卵子を排卵できれば、自然妊娠することもあります。AMH検査はあくまで卵巣に残っている卵子の目安で、卵子の質や将来の妊よう性の予想に直接的には使えないため、いわゆる「AMH健診」を受ける場合は注意が必要です。

男性の年齢と妊よう性

男性の年齢別累積妊娠率(%)
Hassan MA, Killick SR. Effect of male age on fertility. Fertil Steril. 2003;79(6):1520-1527.データをもとに作成

男性においても加齢が妊よう性に影響し、精子の数や運動率などが減少することが報告されています。一般的に、35歳を過ぎると精子の数や運動率が徐々に低下し、DNAの損傷率も高くなるといわれています。

結婚と出産のデータで見る日本の現在

男性も女性も、加齢とともに妊よう性が低下していきますが、ここでは結婚や出産に関するデータを示します。

初婚年齢の平均
令和6年(2024)人口動態統計(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/index.html)をもとに作成

2024年の女性の初婚年齢の平均値は29.8歳で、男性は31.1歳となっています。1995年から比べると初婚年齢の平均値は高くなっています。

第1子出生時の母の平均年齢
令和6年(2024)人口動態統計(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/index.html)をもとに作成

第1子出生時の母の平均年齢は、1985年は26.7歳でしたが、2024年においては31.0歳となっています。

50歳時の未婚率の推移
令和7年版厚生労働白書(令和6年度厚生労働行政年次報告)(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/25/dl/zentai.pdf)をもとに作成

50歳時の未婚率をみてみると、1990年には男性は5.57%、女性は4.33%でしたが、2020年には男性は28.25%、女性は17.81%となっています。

以前は、多くの人が結婚する傾向にありましたが、現在では結婚しない人も増えています。

ライフデザインをしてみよう

人生には、進学、就職、結婚、妊娠・出産、育児、介護、住宅の確保、資産の形成をはじめ、たくさんのライフイベントがあります。将来のライフイベントについて、自分の価値観に基づいた選択ができるように、自分の考え方や見通しを整理してみることが大切です。

ライフデザインのイメージ

ライフデザインをするために、まずは、どういう時に自分が幸せか、どういう生き方をしたいか考えてみます。例えば、どんな仕事や働き方をしたいか、結婚や子育て、出産や妊娠についてどう考えるか、どこで暮らしたいか、学びたいこと、ずっと続けたいと思っている趣味、社会貢献、ライフワークはなにか。

その他にも、マネープランや、老後をどんな風に過ごしたいかなど、自分の希望する生き方を考えていきます。

その上で、あなたの「希望の人生グラフ」を描いてみます。

人生グラフの一例

上の図は、「人生グラフ」を実際に描くにあたって参考とするための一例になります。

一人ひとりの環境や希望によって、どんな人生グラフを描いていくかは異なります。

例えば、仕事ではどんなキャリアを描いていくか、どんな働き方を希望するかなど、自分の考え方や見通しを整理するためにも、自分の「希望の人生グラフ」を描いてみましょう。

最後に

将来の妊娠希望があってもなくても、妊娠する力である「妊よう性」について、年齢による変化を知ることは自分の思い描くライフデザインを実現するために大切です。そのために、今の自分の年齢や身体、生活と向き合うことは、未来の希望を叶える一歩になります。

今後の妊娠に関して、気になることや不安があるときは、ひとりで抱え込まず、医療機関や自治体の窓口に相談してみてください。

相談窓口一覧はこちら(新しいタブで開きます)
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